「レベッカ」 2019.2.5 マチネ・2幕 シアタークリエ

出演者(敬称略)
   マキシム:山口祐一郎   わたし:大塚千弘   ダンヴァース夫人:涼風真世 他

千秋楽レポート続きです。1幕はこちら

レベッカの寝室の前で爪を噛む「わたし」。マキシムがレベッカのベッドで寝たのかも…と思い
巡らせているのかと切ない。再演では「わたし」が想像してるマキシムが部屋にいたの思い出し。

しかし部屋にはマキシムはいなくて、出てきたのはダンヴァース夫人。どうしてあのドレスを
勧めたのかとなじる「わたし」に、あなたはミセス・ド・ウィンターにはなれませんと言い放つ
ダンヴァース夫人。
「レベッカIII」、2人のダンヴァース夫人はどちらも怖かったけど、涼風さんのちょっと狂気を
感じる迫り方が本当に怖かった。
逃げようとする「わたし」、大塚さんは床にお尻をつけて後ずさるのでガウンの裾がはだける
こともあって、違う意味でドキドキ。
「わたし」のガウン、生地や襟の飾りが高級そうで、下のお寝間もシルクかな?と想像してたら
チラリと見えた時、木綿のようで意外だったわ。
歌い終わり、床に座り込む「わたし」と後ろで勝ち誇るように立つダンヴァース夫人。

ダンヴァース夫人の言葉に操られるように窓枠に立ち、今にも飛び下りそうなところで、照明弾の
音に我に返る「わたし」。マキシムを探しに慌てて駆け出す。

沖で座礁した船を見て騒いでる人々、ロープを引いて救助しているフランクにマキシムは何処?と
聞く「わたし」。救助に加わるでもなく、ふらついてるファベルにレベッカのヨットが発見され
ヨットの中には死体があったと聞かされ、驚く。
浜辺にいる人々の中に、今さんもいると気付いたのはクリエの途中。ジュリアン大佐役ではない
出演もしてたのね。ベン役のtekkanさんが他の役で出てるのはモンテカルロのホテルだけかな?
浜辺にはそのベンの姿も。

「わたし」がマキシムを探していると、ボートハウスから憔悴したマキシムが現れる。
ドレスのことを謝る「わたし」に、どうでもいいことだ。私たちのささやかな幸せはもう過去の
ことだと言うマキシム。でも「わたし」はまだレベッカのことを気にしていて、愛さなくていい
から側にいさせてと懇願。

そんあ「わたし」に、レベッカを愛してなどいない、憎んでいたと言うマキシムの思いがけない
告白の始まり。
レベッカとの結婚したのは過ちだった。結婚からわずか7日後、完璧に妻を演じること以外は
自由にすると勝ち誇って笑うレベッカの表情を再現するマキシムの悪い顔…。
自分の従兄弟まで愛人にしていた彼女に、ある日、ここではもう許さないとボートハウスに
踏み込んだ時の目を見開いた激しい顔で、怒りに任せてドアを叩きつけ閉める。
ひとりでいて様子の変だったレベッカは、「ねえ 子供が出来たら嬉しいでしょう」と、そして
笑い声を立て「あなたパパよ」と。レベッカの笑い声を真似するマキシムが…。
夢中で突き飛ばしたら倒れたレベッカは微笑みながら死んでいた。そこから先、ヨットの床に
穴を開け、レベッカと共に沈めたと畳み掛けるような激白。
最後はレベッカの勝ちだとわかっていたと、感情的に全てを告げたマキシムに「事故だったのよ。
でしょう!」と。事故じゃないよね、マキシムの言う通りだとして過失。死体遺棄はりっぱな
犯罪…って初演から誰もが思ってると思いますが。

すがる「わたし」を振り払って、もうお仕舞だと樽に座り込むマキシム。でも「わたし」はまだ
負けた訳じゃないわ。何があったかを知っているのは私たちだけだものと、マキシムを守ると
決めた「わたし」は声も急に大人びて、そんな「わたし」を見上げるマキシムは「君の瞳から
子供っぽさが消えている」と。でも、その距離で瞳はわからないだろう…と今回の突っ込み。
「まだ私を愛していると言ってくれるのか?」と俯いて聞くマキシムは子供のようで、それを
受け止める「わたし」は母のよう。特に大塚さんだと抱き締めた時にマキシムの頭に触れるから
余計そう思うのだな。

再演まではそんな2人をベンが見ていて、だからファベルに連れて来られた時にマキシムを助ける
ことが「わたし」の喜ぶことだとベンは思って、何も見ていないと言うのだろうと思ってたのに。
ベンの出演シーンがなくなったのはここだけだと思うけど、それだけで印象が薄くなってしまった
ように思います。

翌朝のド・ウィンター家の朝食の間。マンダレイは本当に大きなお屋敷だった思うのは、時間に
よってそれぞれ使う部屋が違うこと…って、パンフレット見てこのシーンの場所知ったけど。
ロバートが読んでた新聞の旦那様の写真、ちゃんと今回のマキシムの写真でした。

昨日のことが気になって…と訪ねて来たベアトリスだけど、原作だと結構離れたところに住んで
いるから、ちょっと寄ってみただけと言う距離ではなかったような?
マキシムにやましいことはないときっぱり言い切る「わたし」に、あなたがいてくれて本当に
良かったと安心するベアトリス。「女は強くなる」耳ざわりが良いのでボケッと聴いてしまう。

「新しいミセス・ド・ウィンター」、生まれ変わったように堂々とした新しい奥様に戸惑いながら
これも仕事と忙しく働く使用人たち。通り掛ったフランクが不思議そうにしていると、フリスが
説明したようで、それは良いことだとばかりに笑顔になり、レベッカのナイトガウンを運ぶ
クラリスにも“どうぞ”と道を譲る。そして行こうとしたクラリスを威嚇するダンヴァース夫人。
カトレアの鉢をどうしましょうか?とメイドに言われて、悩むフリス。結局カトレアはそのまま。
使用人たちの歌はどれも好きでしたが、このシーン男性のコーラスがはいるところが一段と好き。

「それは私よ」、モーニング・ルームでレベッカの使っていた物を片付けている「わたし」の
ところに血相変えた風でやって来るダンヴァース夫人。更に堂々とした「わたし」はミセス・ド・
ウィンターは自分だと。キューピッドの置物を壊すシーンも三者三様の違いがありました。
大塚さんの本当は壊したくないんだけど、過去の自分と決別するためにも、ごめんね…風にエイと
落とすのを見慣れているので、平野さんが何の感情もなくポイと落とすのが新鮮で驚きでした。
桜井さんも無造作だったかな…。あまり記憶がない。

歌の終わり、割れたキューピッドの欠片は拾い集めて膝をついてるダンヴァース夫人と、堂々と
立つ「わたし」、「レベッカIII」と逆の構図が2人の関係も逆転したことを示す。
去って行く「わたし」をキッと睨みつけるような保坂・ダンヴァース夫人とレベッカが大事に
していたキューピッドが壊れて、彼女を想い哀しむ涼風・ダンヴァース夫人の違いも興味深い。

審問会。すっかり忘れてたけど、再演の時はマキシムの写真を撮る記者がいたのですよね。
なので「マキシム落ち着いて」と言われるのことに納得出来たな…と思い出しました。
マキシムとマキシムが時々視線を向ける「わたし」を見るのが精一杯で、フランクやファヴェルを
あまり見れなかったのが残念。一度、フランクが視界に入った時、マキシム以上に反応が不自然で
本当のことを知ってるのかな?と思ったことがありました。
マキシムの挙動不審な仕草は、クリエ後半になってより顕著になったような。

ナサニエル・ホーリッジの追及がいよいよ激しくなり、「私とレベッカとの間には何もない」
「破廉恥極まりない」と怒るマキシムだけど、夫婦だったのにそう怒ると余計怪しさが増す。
そんなマキシムを助けるように倒れる「わたし」。倒れた時の帽子の行方が気になる私。

審問会後、マンダレイにダンヴァース夫人を送って行くファヴェル。ダンヴァース夫人は1幕では
ファヴェルにぞんざいな態度だったのに、「ありがとう存じます、送ってくださって」とえらく
丁寧なお礼を言うのが違和感。最後に「忠告はいたしました」と嫌味言うからわざと?

書斎に入り込んだファヴェル、コートを脱ごうとしてフリスを呼びつけ、脱がせてもらう。
フリス、わからなそうに立ってて指を鳴らされ、ああと。ウイスキーを持って来た時も置き方が
乱暴だし、長年仕えていたフリスも実はマキシムとレベッカの夫婦仲に気付いていたのかな?

「持ちつ持たれつ」、自分の欲望のためマキシムを脅迫しようとしてる歌だから、心情的に拍手は
したくないけれど、熱演怪演の吉野さんに拍手。ほんのちょっとのウイスキーで酔っ払って案外
安上がりな男かな…。
ファヴェルのばら撒くお札、あちこちに落ちるから回収するフランクはいろいろ大変だったかも?

マキシムも帰宅すると、早速脅しに掛るファヴェル。要求を飲んだ振りしてジュリアン大佐を呼ぶ
マキシム。とっさに逃げようとするファヴェルの前を塞いでお金を返すフランク。
レベッカが死ぬ数時間前に書いた手紙を持ち出して、こんな手紙を書いた直後に自殺する訳がない
そもそも自殺する理由がないと言うファヴェル。レベッカを憎んでいた男の心当たりならあると、
マキシムに迫り、証人としてベンを連れてくる。

ベンが連れて来られた時、ハッとして不味いぞと表情を変えるマキシム。多分、マキシムはあの夜
ベンがよくあの浜辺にいることは忘れていたのじゃないかなと、そんなマキシムを見て思う。
ベンを乱暴に扱うファヴェルを止めた後、大塚さんはマキシムから離れたままだけど、他の2人は
もう一度マキシムと寄り添って、ベンが喋ろうとする前にすっと離れてました。
「わたし」の顔を見て、「ベンは何も見てない」と言い、証人にはならないとジュリアン大佐。

ベンが下がった後、今度はロバートを呼び、ダンヴァース夫人にレベッカの去年の手帳を持って
来るようにと言うファヴェル。またしても不味い状態だ…と表情を固くするマキシム。
レベッカが恐れていたのは健康を失うことと言う台詞、再演までは違ってたと思うけど、どう
違ったか思い出せない。今回の台詞は回りくどいと最初の頃は思ってましたが、段々気にならなく
なったのは慣れね。
レベッカにとって男性との関係は単なる遊び、男性のことは心底軽蔑していたダンヴァース夫人が
言ってる時、大塚さんの「わたし」はマキシムを気遣うようにそっと背中に触れるのがいいなと。

レベッカの当日の予定にダンヴァース夫人も知らない名前をみつけ、相手が誰なのか電話をして
聞くフランク。話をしてる時はあっさりなのに、みなに言おうとすると、医者の家だったまでは
すらっと言うのに、婦人科だと言うのをためらうフランク。やっぱり知ってるね。

明日、そのベーカー医師を訪ねると言うジュリアン大佐、「俺も行く」とファヴェルに揶揄され
激昂するマキシムは大佐にマンダレイを出ることはならないと言われ、「わたし」が「ご一緒
します」と。

翌日、仕事をしながらも落ち着かない使用人たち。「出発は8時」で8時にマンダレイを出て
12時にロンドン着で、ベーカー医師の家を探してる3人の姿も。ロンドンでの3人が出るように
なったのは今回からで、これは良いと思うけれど、この時の「わたし」の衣装が駅にマキシムが
迎えに行った時の衣装と違うのが突っ込みどころで…。その前に、4時間でロンドンに行けるのに
なんで帰って来るのが夜中の2時になるんだ?ってのが、初演からの突っ込みどころですけど。
医師の話を聞いて安心した「わたし」がロンドンで買い物して、ついでに買ったばかりの服を
着て帰ってきた…ってことにしておこう。

待ちわびた電話が鳴り、急いで近寄りながらも取るのを躊躇うマキシム。その間にフランクも側に。
レベッカは妊娠していたのではなく、末期の癌だったと聞いたばかりのことをフランクに告げると
「自殺だったのですね」とフランクが言うのは、マキシムを救う言葉だと思うのだけど、何故
マキシムは涙ぐんでしまうのだろう?病気だったレベッカを哀れむ涙なのか?それとも憎んで
いたと言いながら、愛憎入り混じりの気持ちが涙となったのか…。
でも「彼女は死にたかったんだ」までは良いけど「私を道連れにしたかったんだ」をフランクの
前で言っちゃダメじゃないかと。で、頷いて去るフランク、やっぱり知ってるんだな…と。

レベッカが本当にマキシムを道連れにしたかったとして、あの時にマキシムがボートハウスに
来るとはレベッカは予想してなかったと思うから、何処まで彼女のシナリオ通りだったのか?
そこも謎ですね。ファヴェルに手紙を出した理由もわからない。マキシム道連れ計画の相談
だったのかしら。ファヴェルならそう言うことにも平気で手を貸しそうだし。

レベッカのことを聞いていたダンヴァース夫人が最後に歌う「レベッカが歌う」は悲しみに満ちて
いて、以前はそんなにダンヴァース夫人を可哀相だと思わなかったのだけど、今期は悲嘆する
思いに辛くなりました。だからマンダレイに火をつける気持ちもわからなくはないけれど…。

夜中のコンウォール駅。「わたし」を迎えに来たマキシム、少し早かったかとガッカリから
「わたし」の気配に笑顔になって振り向き、抱き合ってキス。ここのキスも喉の不調以降、振り
だけかな?マキシムの頭でほぼ見えない。

あの夜、レベッカはわざと自分を怒らせるように振舞っていたんだ。そして私はまんまとその
罠に嵌ったと言うマキシム、だから彼女は死んでも微笑んでいたんだと少し涙ぐみ。
そんなマキシムを励ますように「でも彼女はもう何もできない」と言う「わたし」。

「夜を越えて」♪もし君がいなければ が涙堪えてる感じだったけど、その後は愛を信じて明日を
生きようと前向きの笑顔で。夜中のシーンだし、帽子被ってるしで表情が見え辛かったのは残念。
歌い終わりで再びキス。「レベッカ」初演は確かキスシーンなかったですよね。再演の途中から
この駅のシーンでキスするようになって、驚いた記憶。あ、でも「幸せの風景」の後のキスは
最初からあったのだっけ??自分の当時のレポを読んでも何故か不明…。

マンダレイ炎上。梅田で気付いたけど、フランクが「中に入るな、危ない逃げろ」って言うのは、
寝巻きで出て来たミセス・ラザフォードが抱えてた鞄を落としたので、戻ろうとしてるのを止めて
たのですね。一緒に逃げて来たフリスは手提げ金庫のような物を持ち出している。
で、いつの間にか回収されてる鞄、どう言う仕組みだったのか、結局最後までよくわからなくて
気になってます。壁が少し動いて、その簡に後ろに回る人がいるから、壁の後ろに引っ掛けてる
のかな?と予想。でも一度、鞄が転がって行ったように見えたこともあったから、謎は深まる。

「炎のマンダレイ」、フランクからダンヴァース夫人が何処かへと行ったと聞いて、マキシムも
火事の原因に思い当たったのかな?父から受け継いだ屋敷だけれど、燃えるなら恐怖と共に焼き
尽くして全て消えてしまえ~~と、全てのことから別れる決意のマキシム。

「エピローグ」、マンダレイが消えてから20年後くらい?杖をつき、すっかりおじいちゃんに
なったマキシムだけど、まだ60代ではないかと。でも当時の60代はあれくらいか…。
その後の2人はイギリスも離れ地中海のホテル(歌詞にはないけど)暮らし。人目を避けひっそりと
過ごしている雰囲気。穏やかなその後の人生だったようにも思えるし、2人をカトレアが取り囲み
最後にダンヴァース夫人が落として行くカトレアが、ポツンと立ってライトを浴びるラストは
いつまでもレベッカの影は付き纏っていたのかもとも思えます。

ラストシーン、梅田まではプスプスとカトレアを床に突き刺してたのが、クリエ2日目から花弁を
落とすようになり、更にカトレアの花も落とすようになって、画的に綺麗になって良かったと
思います。

千秋楽のご挨拶のあったカーテンコールは先にレポートしましたので、こちらからどうぞ。

もうやらないかと思っていた「レベッカ」8年振りの再演で、再び観ることが出来て嬉しかった
です。ずいぶんと久し振りになるので、記憶もおぼろになっていたから自分のレポートを読み返し
ちゃんと書いておくって大事と思ったので、長々となりましたが今回の「レベッカ」記録しました。
またいつかマンダレイで素敵なマキシムに会えることを願いつつ。

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