「エリザベート」 2010.10.19 ソワレ 帝国劇場

出演者(敬称略)
    エリザベート:瀬奈じゅん   トート:山口祐一郎      ルドルフ:浦井健治
    ゾフィー:杜けあき       ルドヴィカ:春風ひとみ    少年ルドルフ:菊地駿

8月に公演が始まった頃は連日猛暑で、ルキーニの「暑いぜ、まったく」に、本当に…と同意してましたが、
終わらないかと思った今年の暑かった夏も気がつけば、朝夕は肌寒く感じる秋へと移ろい「エリザベート」も
終盤。今月末まで公演はありますが、一足早く、山口・トート千秋楽の日を迎えました。

平日ソワレは仕事終わりで行ってもぎりぎり間に合うけれど、劇場に着くまでハラハラするのは嫌だし、
慌ただしい気持ちのまま観たくなかったので1時間早退。
ゆっくりと劇場に向かい、開演前には少し腹ごしらえもして落ち着いて席に着くことができました。

本日は友人の厚意により、席を半分こして1幕はE列上手サブセンター、2幕はU列下手サブセンターで
観ました。1幕の席はとても視界も良く舞台近い距離だったから肉眼で閣下を堪能、2幕は距離があったので
心置きなくオペラグラスを使ってじっくり堪能することができ、良かったです。

音はE列とU列はやはりずいぶん差がありますね。2幕始まった時の薄っぺらく感じたオケに席でこんなに
違うんだ…と思いました。でも、すぐ耳は慣れちゃうからさほど物足りなさは感じなかったけど、天井から
聞こえる空調の音が気になっちゃって…。2幕はルドルフ絡みで無音になるシーンが何度かあるので、
その時にブォーーッと聞こえる音が耳障りでした。他の席でも聞こえるけど、1階A席は天井低いから、
すごく気になります。あれ何とかならないのかなぁ。

本日の少年ルドルフは菊地くん。何故か少年ルドルフは偏りまくりましたが、菊地くんと小宮くんも何とか
2回ずつ見れました。菊地くんは4人の少年ルドルフの中で最年少だからか、一番頼りなげに見えて、本当に
“ひ弱な皇太子”って感じでした。
今期は少年ルドルフはみな新しい子役でしたが、歴代の少年ルドルフ達はその後、どうしてるのかな…。
トートをやりたいと言ってた子もいたけれど、成長してまた「エリザベート」に出演ってことがあったら
楽しいですね。

今期はアンサンブルもだいぶ顔ぶれが変わりましたが、今回もずいぶん観たのに、認識しきれない方が結構
いました。特に女性アンサンブルはお揃いの侍女の服だと判別ができない私…。後、雰囲気があまりに変わる
「マダム・ヴォルフのコレクション」の娼婦がやっと全員わかるようになったのは、ごく最近。特に今期は
重臣たちに目が行ってしまったので、なかなか娼婦が見れなかったから。
アンサンブルが兼ねる役はその時で多少変動があるようで、今期はシシィの妹もコレクションの一員でしたね。
姉と妹揃って娼婦になっちゃうなんて

男性アンサンブルも目が行く人は決まってましたが、登場人物の多いシーンはなるべくあちこち見るように
してて、謁見の間やバート・イシュルの兵士に革命家がいると言うのに今期初めて気づきました。さすがに
エルマーはいないけど。シュテファン達も婚礼シーンまで出てないかと思ってました。
今期は重臣たちがいろいろインパクトありましたが、特に司教さまの中山さんは司教以外の役でも目だってて
カフェシーンや「HASS」では目が離れなくなりました。
カフェシーン、最初の頃は革命家たちを見ていたけれど、その後は中山さん、そして最近は俵さんのボーイの
働きっぷりに目が行ってました。

今期の見納めシシィは瀬奈さん。華奢でいつも暗い陰を帯びてたイメージのある実在のエリザベートより
ずっと強い印象の瀬奈・シシィでしたが、死に心惹かれながらも何度も閣下を拒絶しているのだから、強い
心の持ち主であることは確かですね。
あまり早くに閣下を受け入れちゃうと話変わっちゃうし。でも、ラストに手に入れたシシィは閣下が望んで
いたシシィとは違う気がしますけど…。この辺りはあまり疑問に思っちゃいけないところか

では、千秋楽のトート閣下レポートです。
「私を燃やす愛」。ゴンドラから登場の閣下、もう見慣れた今期のメイクでしたが、初日に観た時のように
綺麗 艶めく肌に目の下もスッキリ、ラストだからキラキラ増量!?と思ったくらいキラキラしてました。
歌声もうっとりだし、シシィの棺を呼び出す時の表情は何だか切なくなる顔してて、最初から一瞬も視線が
外せません。身体反らした後姿も綺麗だなぁと思うのは、ファンの贔屓目?でも閣下は後姿も印象的

「愛と死の輪舞」。表情にも歌声にもシシィへの溢れる想いが感じられ、以前よりいっそう好きになったこの曲
たっぷりと響く歌声に聴き惚れました。
歌い終わっていつもより大きな拍手が起こると、ポーズをキープしてしばらく拍手を浴び、拍手を集めるような
仕草をして、手のひらにシシィの魂を包み込むと、大事そうに持ってからシシィへと返してました。

「不幸の始まり」。白い布を操っている時の不適な表情から、シシィに「全て汝の意思であることに…」と
問う時の苦渋の表情、そして険しい顔へと変わる閣下から目が離せず、今期も下で翻弄される人々をあまり
見ることができませんでした。

「最後のダンス」。歌い出す前は、階段の上でシシィを操る閣下の手の動きとシシィの動きを見てました。
その後は閣下に視線はロックオン。階段下りる途中で、腰を落として歌うポーズも格好いい。
下に来て、シシィの手を掴み腰を引き寄せる動きはちょっと弱い感じしたけれど、手を離した時にいつもより
上半身がシシィに近かったのか、足を後ろにグッと引いた姿勢になってました。
その後、♪広間の客は~ が一瞬出遅れた感じだったのは、間を取り過ぎたから?
後半の歌声は素晴らしく、客席を下手から上手へと睨みつける視線も鋭く、俺様な閣下炸裂でした。
下では歌いながら右手を動かすくらいの動きしかなかったけれど、階段に戻ってからは激しい動き。
そしてラストの♪お~~~~~~~~れ~~~さ~~~ は力強いロングトーン。ここ最近では長かったです。
万雷の拍手を浴び、シシィを睨みつけて背を向けて階段を上って行く閣下。ライトが落ちて暗くなっても
閣下が階段を上りきったと思われる辺りまで拍手が続きました。

「闇が広がる」。後ろ向きで立つ閣下が目の前でした。このシーンのコートはスマートに見えて好き。
シシィに近寄り頬に触れるくらいまで顔は見えませんでしたが、表情を想像して見るのもまたいいかも。
ラストの表情はカッと目を見開いた顔から、その目を眇めるように…

「退屈しのぎ」。閣下の滞在時間は短いけれど、人々の真ん中を通って出てくるところから「君らの話を
聞かせてもらおう」の台詞、ちょっと笑みを浮かべた顔で辺りを見るところ、ラスト、勢いよく振り返り
髪が乱れるところも全部好きでした。

「エリザベート泣かないで」。ラストの本日もうっとりする歌声でシシィを誘ってました。シシィのガウンを
はだけさせる時の右手の指が好きだったりして…。今期は透ける衣装で閣下の背中を堪能できたのもナイス。
羽根ペン投げ付けは、私が観た限りで今期は全て成功。綺麗に突き刺さってました。

「私だけに三重唱」。ラスト、綺麗な三重唱ですが、私の耳には閣下の♪愛してる~~ しか聞こえないことも
今期はシシィを見つめる目つきは余裕と言うより、真剣な感じだったかな。

「エーヤン」。元気に弾けてはいたけれど、ちょっと声が出辛そうにも聞こえました。気のせいか?
御者台から皇帝夫妻を振り返って見るところ、じっと見つめて前に向き直ったところでは“フン”ではなく
“フフン”って小ばかにしたような表情。

「私が踊る時」。シシィを見ながら上着を脱ぎ捨てたところ、その動きで馬車が横にぶれたような…
シシィの手を取って前へ出て来るところでは嬉しそうな表情の閣下、その後、♪ひとり舞う とシシィが歌う
ところでクルッと振り向く動きが今期は素早いのだけど、本日はいつも以上に勢いよく振り返っていたので
髪が乱れて襟の中に入ってました。

「ママ、何処なの?」。優しい声でルドルフを信用させる閣下、ルドルフが背を向けたところでは表情は
優しいままでどういたぶろうか…と思案してる感じが実は怖い。
でも、本の山に立ったルドルフを見守る視線は本当に優しいのですけどね。

「最後のチャンス」。ドクトルの時は色っぽく、正体を現してからは強引で楽しげで、拒絶されてからは
悔しげな閣下と短いシーンでいろいろな閣下が堪能できて好きでした。
ところで、2幕でリヒテンシュタインが登場するのはこのシーンだけだけど、彼女はあまり老けてる感じが
しませんよね?皇太后がすっかり老けているのに…。暗いしあまりちゃんと見てないからそう思うだけかな?

「闇が広がる(リプライズ)」。イントロから大好きな曲だけど、本当にドラマチックだなとしみじみ。
そして閣下とルドルフの歌もこれで聴き納めだとちょっと淋しく思いながらしっかり耳と目に焼き付けました。
♪この世の終わりが近い でルドルフに逃げられた時、クルッと1回転する閣下の衣装の裾が広がって綺麗。
そしてルドルフの方を見て操る閣下、その後の♪見ていていいのか は腕の上げた角度も2人ぴったり合ってて
感動しました。私の見方もあるだろうけれど、浦井・ルドルフは閣下に操られてる感がとても強いように
思います。
歌い終わった2人に大きな拍手(フライング気味の人がいたのが残念…)。ルドルフはちょっと涙ぐんでいる
ようにも見えましたが、閣下は閣下として満足している風な感じ。そしてたっぷりと拍手を浴びて、閣下は
手をゆっくりと動かし、シーン再開。

「独立運動」。「みなさん、殿下からお話が」の台詞の声も大好き。ルキーニと視線を合わせつつ、椅子に
座って新聞を読む振りをする閣下。でも、新聞の向こう側からルドルフの様子を伺い、お前ならできると唆し
その気になったルドルフを馬車へと誘導。思うようにルドルフを操る閣下。
本日も鞭振りは激しく、馬車から降りてのジャンプもしっかりありました。センターでルドルフを送り出した後
自分の手を見つめる仕草はサラッと。ルキーニから受け取った新聞を握りつぶす仕草がいつもより激しかった。
そしてTDを従えてのダンスも激しく。ジャンプ、ルドルフを引き寄せ、投げ出すとターンしながらセンターへ
最後、半回転ジャンプして力を込め、手を激しくプルプル。
警察の登場で、スタスタと舞台奥へ移動。いつも曲が終わると同時にピタッと定位置に。
ラストにジャンプをするようになってから、背中を向けてる閣下の肩が上下してるのがよくわかるように
なりました。密かに息を整えるのも大変…

「マイヤーリンク」。無表情でルドルフを追い詰め、いたぶるように振り回した後、銃を渡しながらキス。
山口・トートのキスはとてもソフトだそうですが、それは見ててもわかりますね。触れるか触れないかって
感じの優しいキス。でも冷たい…
銃声の音に合わせて頭を傾け、そのままも姿勢で去って行く閣下でした。←今期の謎

「死の嘆き」。いい加減見慣れたので、棺から登場の閣下にも特に変とは思わなくなったけど、この演出は
今でもやっぱり好きじゃない。初演ヴァージョンの棺に飛び乗る閣下が格好良かったからなぁ…
棺を開ける装置はかなり原始的で、後ろでスタッフが棒で押し上げてるのがたまに見えます。

「悪夢」。閣下から目が離せないのだけど、ラストなので頑張ってフランツも見ました。本当に閣下の手の
動きのままに操られ、もがき苦しんでいる。閣下はそれはそれは楽しそうで、本日はピョンと跳ねる前に
不思議な動きでひと踊り
ここのところ少し抑え目に感じていた「自由を!!」の叫び、本日は初めて聴いた時くらいインパクトのある
叫びでした。

「愛のテーマ」。闇の中から現れる印象のある閣下が、光と共に登場するのも今更だけどいいですね。
ゆっくりとセンターへと歩を進める姿も何だか好きなんですよね。
シシィを迎えるところであまり笑顔はなかったけれど、それが今期の閣下と言うことで。
ルドルフへのキスは閣下の顔が見えなかったので、シシィへのキスも見えないかもと思いましたが、優しく
死のキスを贈る閣下のお顔もちゃんと見えました。

シシィを棺に収納し、ルキーニを厳しい表情で操り、閣下はまた黄泉の世界へ…

カーテンコール。千秋楽を迎えた閣下のご挨拶もあったカーテンコールは先にレポートしました。こちら

今期もたっぷりと堪能した「エリザベート」が終わり、ちょっと気が抜けた状態です。
また山口さんのトート閣下にお会いできる日が来ることを信じて…

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