2ヶ月ほど掛けて全巻(15、16巻の評論やエッセイ集はまだですが…)読みました。
佐藤さとるさんの本は、読書好きの子供だったら、1、2冊は読んでいるのではないかと思いますが
私が初めて自分のお小遣いで買った本が佐藤さんの「だれも知らない小さな国」でした。
小学3年生の“ぼく”が夏休みのある日、ひょっこり迷い込んだ小山に心惹かれ、何度も通う内に
ちょっぴり小山の秘密を知るも、引越しのため小山から離れなくてはならなくなる。
やがて大人になった“ぼく”はぽっかりと小山のことを思い出し、数年振りに小山を訪ねてから
小さな黒い影が身の回りで走るのに気づき、その小さな影は子供の頃に一度だけ小山で見た
小人なのではないかと思い…
「だれも知らない小さな国」は佐藤さんの代表作なので、ご存知の方も多いかと思いますが、
小学生だった私はコロボックルシリーズの第1作目のこのお話を夢中になって読み、その後、
続きの4作や他のお話も図書館で探しては読みました。
なので「だれも知らない小さな国」は私には宝物のように大好きな本で、子供の頃は何度も
読み返し、大人になってからも文庫本で発行されたシリーズを買って、何度か読んだと思うけど
もう10年?20年くらい?は開いてなかったかな?
久し振りに読んで出だしの「二十年近い前のことだから、もうむかしといっていいかもしれない」の
一文に、懐かしい思いと、20年前はもう昔だよね…と妙な実感がありました。
今回、コロボックルシリーズの5冊を一気に読んだけれど、最初の3作がやはり好きだなぁ。
人間から身を隠して、地下に隠れ住んでいた小人達が、ある人間を自分たちの味方にする1作目、
コロボックルにふさわしい小さな犬=マメイヌを発見する2作目「豆つぶほどの小さないぬ」、
空飛ぶ機械のテスト飛行からお話が始まる3作目「星からおちた小さな人」。
この3作はコロボックルの社会が描かれていて、知らない世界を覗くわくわく感がいっぱい。
読んでいると本当にどこか自分の近くにコロボックルの国があるんじゃないか…なんて思ってしまうし、
あったら楽しいのになぁと今読んでも思います。
「だれも知らない小さな国」はストーリーだけでもわくわくと引き込まれるものがあるけれど、
文章自体もリズム感がよいので、子供でも読みやすくてぐいぐい引き込まれるんだなぁと
読み返して思いました。他のお話も読みやすいけど、この本に特に感じるのは、何度も読んで
私には馴染んでいるからかもしれませんが…
読んでて、ここの文章好きだったと思い出した箇所が幾つもありましたから。
コロボックルシリーズ以外で好きなのは「ジュンと秘密の友だち」「おばあさんの飛行機」
「てのひら島はどこにある」など。
「ジュンと秘密の友だち」は今読み返しても胸がジンとしてしまいました。
「おばあさんの飛行機」はもうちょっと長い話だったように思ってたけど、短編だったのね。
短編で好きなのは昔話っぽい「ネコの盆踊り」、夏の白昼夢のような「魔法の町の裏通り」など。
全集として今まで出ていた物をまとめて読んだことはなかったけれど、今回14冊読んだら
9割以上の話を過去に読んでいました。コロボックルシリーズ以外は子供の頃に1回読んだ
きりだと思うけど、ほとんど覚えてて、子供の頃の記憶って大したもんだと

佐藤さんの本は村上勉さんの挿絵なので、村上さんの絵共々好きなのですが、先月の11日の
読売新聞朝刊に、村上さんの絵が載ってて何?と思ったら「コロボックル物語 再開へ」との記事。
有川浩さんが四半世紀振りに書き継ぐとのことで、来年まず短編に挑戦だそうで…
あの当時からは実社会もずいぶん変わって、コロボックルにはますます住み難い世界だと
思うけど、どんな続きの話になるのか、コロボックルシリーズのファンとして、楽しみです。
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